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ホットドリンクで心の距離を近づける

「手が温かい人は心が冷たく、手が冷たい人は心が温かい」という俗説がありますが、これには根拠がなく、会話の中で使われるただの迷信のようです。ですが、手の温度と心の状態には何らかの関係があるのは事実のようです。

アメリカの心理学教授がこんな実験を行ったそうです。

被験者を二つのグループに分け、片方にはホットコーヒーを、もう片方にはアイスコーヒーを手に持ってもらい、しばらくした後、ある人物の情報を全員に与えその人物の性格についての評価をしてもらいました。するとホットコーヒーをもって体が温まった人たちは「その人物は温厚な優しい人物だ」と判断する傾向があったそうです。

また別の時に、温湿布と冷湿布を貼ったグループに分け『実験参加のお礼として渡すので、自分自身へのプレゼントか友人への土産のどちらか選んでください』という実験をすると、温湿布を貼った人のほうが友人への土産を選ぶという結果が出たそうです。

この二つの実験からこの心理学者は「人は体が温まると他者を“心の温かい人”だと判断する上に、他者に対して寛大になり、より信頼するようになる。」と結論づけています。

「掌の温度が高い人ほど人づきあいが好きで、掌の温度が低い人は人づきあいが苦手」という説を唱える別の心理学者もいるので「手が温かい人は心が冷たく、手が冷たい人は心が温かい」という俗説はウソということになりそうです。

そもそも手の温度が低いというのは交感神経が刺激され、毛細血管収縮によって血液が巡りにくくなっているという状態です。緊張すると手が冷たくなるというのもこの作用が原因。手が冷たい人は心が冷たい、というよりも手が冷たくなっているときは心を閉ざしている状態ということです。

もしも目の前にいるあなたが仲良くなりたい人の手が冷たかったら、温かい飲み物を一緒に飲んで身も心も温まってみましょう。心の距離はぐっと近づくはずです。