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春のおしゃれは我慢から?

3月、春とはいえまだまだ寒い日もあります。強く風の吹く日もあったりして、厚手のコートがなかなかしまえませんね。「でもせっかく明るい陽が差してきたのだから、思い切って春物の明るい色のコートに衣替えしよう!」とクローゼットの奥から春色の上着を出してきたものの、外出時になって「やっぱりこっちかな」と冬物に身を包んでしまいます。
もう20年近く前「おしゃれは“我慢”から!」とファッションリーダーの芸能人がメディアで発信していましたが、今はその考えは古いのだそう。
「そもそも、服は体を覆う“道具”なので、我慢して着なくてはならない、つまり使い心地の悪い道具をわざわざ使う必要はない」というのが現代風のファッションの考え方。「季節を先取り」「今の流行」を追いかけて、寒かったり暑かったり、窮屈だったり逆にすぐにずり落ちるほどぶかぶかだったりするのを“我慢して”着るといったファッションセンスはもう過去のモノになっているのです。

それはここ数年で世界中にすっかり定着したリモートワークも後押ししているようで、毎日出社するために鎧のように来ていた、肩の窮屈なスーツもつま先の痛みを我慢して履いていたピンヒールも、自宅での仕事では必要なく、心地のいい自分らしい服を着て過ごす快適さを知ってしまった今、私たちはもう以前のような服は着たくないと思うようになってしまったのです。

薄手の上着で寒さをやせ我慢して、風邪をひいたり熱を出したりしてしまっては元も子もありません。我慢したり、強がったりして周りにどうみられるかを気にするよりも、自分自身の心と体を大切にして自然体でたおやかに生きることこそ、新しいおしゃれの概念かもしれませんね。